u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

待つか、出るか

朝の電車が急停車した。前を走る電車で人身事故が起こったというアナウンス。とりあえず一番近くの駅まで進んでそこで復旧待ちをするという。

車内では、あからさまに舌打ちをする客、電話をしながら声だけなのにペコペコ頭を下げる客など、それまで能面だった乗客たちがとたんに人間味を帯びる。人間味という意味ではここにもあからさまに現れる。待つか、出るか。

停車した駅は特急が止まらないローカル駅で、降りたところで迂回路線の駅があるわけでもない。そそくさと出ていく乗客がいる。出ていく客につられてきょろきょろしながら出ていく者もいる。座席にすわっている客なんかは復旧までゆっくり寝られるという感じで悠々目をつむっている者もいる。

さて自分はどうしようか。人身事故だから復旧に1時間はかかるだろう。地図をみた。2駅分先まで行くと別の路線の駅があるが、たぶん数キロの道のり。歩いている途中で運転再開して抜かされる可能性は低いだろう。つまり2駅分歩いたとしても迂回したほうがたぶん早い。でも、振替輸送で迂回路線は激混みに違いない。駅が混雑していて何台かやり過ごしていたら、結局このまま待っているのと変わらないのでは。だったらこのままいた方が楽、、、

と、腹を決めかけた時にふと車外をみると、今日は快晴。雲ひとつない空と朝のすがすがしい陽光が目に入る。さっきまでの算段とまったく無関係に目に入った車外の様子につられて車外に出た。

予想通り、2駅分歩いてたどりついた迂回路線の駅は激混み。もみくちゃになってウイルス感染のリスクまで引き受けて、ようやく目的地にたどり着いた。

ああだこうだと理屈をこねてどっちがいいかを考えて、結局その理屈には従わず一瞬の感覚で行動する。自分らしさが端的に現れた朝の小旅行だった。