u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

『つげ義春コレクション 四つの犯罪・七つの墓場』読了

つげ義春初期作品集。10代の終わりから20代あたまに描かれた作品らしい。こういうのは本当のファンが読んで、後の作品にどう繋がっていくのかとか、初期作品にだけ感じられる質感だとかを楽しむものなんだろう。ちょっと走り読みした程度で、そもそもマンガをあまり読まない自分にどうのこうのと言うことはできないことを承知で感じたままを書き留めておこう。

作品によって画の印象がずいぶん違うのは試行錯誤の真っただ中にあったということなんだろう。そのせいかエネルギーよりも一生懸命さが伝わってきて、その分作品の印象が薄れるように感じた。
こんな風に感じたことで気づかされたことだが、作品(少なくともアートの視点で鑑賞する作品)については、作り手の一生懸命さは表面化すると邪魔になる。作り手のエネルギーは、一生懸命さで測られるものじゃない、なんてことを思った。
とはいえ、「おばけ煙突」や「鉄路」あたりはこちらの心に食い込んでくる圧のようなものがあって良かった。ついでに自分が感じた「良さ」を分析すると、日常生活で味わうことがない質感に惹かれたのだと思う。その質感の出どころは、著者のオリジナリティと半世紀以上前の日本(人)が描かれているところかなと思った。