u1row's blog

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『昭和芸人 7人の最後/笹山敬輔』読了

エノケン、ロッパでまるでコンビのようにセットにされるが、芸風も、互いを見る目も、人生もずいぶん違っていたらしい。タモリはロッパを、自分とどこか似たところがある芸人と言ったそうだ。

エンタツアチャコのエピソードも面白かった。「万歳」と呼ばれていた伝統芸能、演芸を当世風の掛け合い「漫才」へと進化させたのがエンタツアチャコ。適当にしゃべっているようで、非常に緻密な掛け合いだったそうで、早々に解散したのち、周りの要請にもかかわらずコンビに戻ることはなかったのは、一つにはその緻密な掛け合いを復活するのは困難だと感じていたこともあったらしい。紳竜のエピソードにも同じような話があったのを思い出した。

著者は自分と同世代ということもあるのだろう、「現在の笑い=ダウンタウン」を揺らぎない真理であるかのように、やたらとダウンタウンのエピソードを引用する。ちょっと客観性を欠くように思えたが、でも世代の感覚としてはすごくよくわかる。漫才ブームですらリアルタイムではない自分(ら)にとってはやっぱりダウンタウンはすべてを位置づけるレファレンス元のようなところがある。

歴史の面白味は、自分がレファレンス元にしている人、あるいは原点だと思っている人にも、さらに遡ってレファレンスとなる人や原点となる人がいる、つまり不動だと思っていたものが相対化されるところにあるのかもしれない。