u1row's blog

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『こわいもの知らずの病理学講義/仲野徹』読了

中高通じて苦手な科目がなかった、と言うとイヤミだが、「苦手な科目はないが得意な科目が一つもない」というのがわりと深刻な悩みだった。
「これだけは譲れない、絶対に自信がある」と言える科目が一つもなく、全部中途半端。結局、教えられたことを覚えているだけで、それ以上でも以下でもないと虚しい気持ちになりがちだったのを今もよく覚えている。
苦手はなかったが、嫌いな科目はあった。化学と生物。とにかく嫌いなので文系だが物理を選択した。
なぜ嫌いなのかはいろいろあったが、何にせよ嫌いだから教えている先生も好かなかった。が、その好かない生物の先生が雑談で話していたことをなぜか鮮明に覚えている。
「僕は生物を教えているけど、最近、古文を読むのが面白くってしかたがないんです。昔は古文の文法なんて何の役に立つのかと思っていましたが、今になって古典を読むようになると、古文の文法も無駄じゃなかったなと思うんです」といった話だった。
正直、ちっとも響かなかったが、その先生の顔と一緒に真っ先に思い浮かぶのはこの話。
今、たぶん当時の先生と同じくらいの歳(あるいは年上かもしれない)になって「病理学講義」という本を読んで、むちゃくちゃ面白いと思っている自分。
この本の面白さは著者の語り口によるところが大きいので、一概に生物関連の興味関心が高まったとは言えないが、それでもこんなに一生懸命、細胞の話、血液の話、ガンの話を読むなんて自分でも驚きだ。
だからといって「将来、何が役に立つかわからないから、選り好みせずに勉強すべきだ」なんて説教くさい話を娘や他人にしようとは思わない。
ただ、とりあえずこの本はおもしろかった。この本の中で紹介されている別の本も読もっかなとも思った。それだけ。