u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

『統合失調症がやってきた/ハウス加賀谷』読了

ボキャブラ天国に出ていたのは90年代末、そんなに前だったのか。たいして熱心に見ていたわけじゃないが、松本ハウスは印象に残っている。病気療養のため休業というニュースもよく覚えている。
テレビの世界だけを見ていると、そこに出なくなったタレントは、消えていなくなったも同然なのだが、一個人としてのドラマはテレビと関係なく続く。
統合失調症というと、自身の世界の一貫性を保てなくなり支離滅裂な世界に放り込まれるのを想像するが、著者が掘りおこす小中学生時代のエピソードや病気療養期間のエピソードからは、理解できないものに翻弄されながらも懸命に一貫した自己を保とうとする姿が伝わってきて感動した。
「こんな風にしか表現できない自分」を知る人間は、「あんな風にもそんな風にも表現できる自分」に酔っている人間よりも、表現者という観点では格段に上だろう。
ま、だからと言って芸人としてファンになるかどうかは別だが。
「社会の偏見は根深く、なかなかなくならない。だけど、ぼくは、偏見がなくなることを期待するより、自分がどう生きるかが大事だと考えてるんだ」
というあとがきの一節にまたまた感動した。読んでよかった。