u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

『神戸 わがふるさと/陳舜臣』読了


名前だけはよーく知っていたが、作品は一度も読んだことがなかった。6年間通った中高の正門の真向かいに著者の自宅があり、毎日表札に記された名前を目の端にとらえて通学していた。だから名前だけはよーく知っている。
中学に入学した頃に、そこが有名な作家の家だと聞いて「へぇ」と思ってから、今回はじめて本を手にするまでに30年くらい経過している。
なんで読まなかったのか、これといった理由はないが、きっとマジメで難しい本だろうと勝手に思いこんでいたからかもしれない。実際、代表作をみると、「十八史略」だとか「三国志」だとか、苦手な歴史小説系が並んでいる。男子は、歴史ヒーロー伝や戦記物が好きなものらしいが、自分には全く当てはまらない。大抵「あほらし」か「むなし」と思ってしまう。
が、今回手に取ったのは、神戸についてのエッセーと短編小説で結構楽しめた。短編作品は歴史ものではなく、推理ドラマ風の作品。もともと、乱歩賞受賞が作家のスタートだったそうで、60年代はかならずしも歴史小説を書いていたわけではなかったらしい。どの作品も、神戸の馴染みの地名が出てきて、地名から感じられるニュアンスも含めて楽しめた。