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u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

『望み/雫井脩介』読了

行方不明の息子は、殺人事件の加害者なのか、それとももう一人の被害者なのか。
息子が加害者のはずがないと念じる父親。しかし、それは息子がもう一人の被害者であってほしいと念じることに等しい。加害者で構わないから、とにかく生きていてほしいと念じる母親。この辺りの心理描写が詳細に描かれているのがこの作品の醍醐味だろう。これを男女の差、父親と母親の差とまとめられるのかどうかはわからないが、異なる2つの感性を同じ密度で描いているところに感心しながら読み進めた。
丁寧な分、展開が遅いのは仕方ないのかな。最後まで一つの図式で書き切っているが、もう一つ別の図式があったら、くどさが抜けてテンポが生まれたかもしれない。
と言っても、簡単にできることじゃないだろうが。