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u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

遭遇

図書館で借りた短編オムニバスを読んでいて息をのんだ。12人の作品が一話ずつ収録されている中に、古い知り合いのものがあったからだ。
友人とは言えないが、学生の時にやっていたSoul Barに彼女らしき女性をつれて、いや、彼女らしき女性に連れられて入ってきて、しばし歓談した仲、その前後もその界隈でよくすれ違った覚えがある。
年齢不詳、陽気で純真な振る舞いに、それだけではない不思議な気質を漂わせていた。
彼女らしき女性が「以前はガチガチの現代詩を書いていた」と熱っぽく語ってくれたが、「現代詩を知らないのに、それが「ガチガチ」とは?」「彼の今を知らないのに、以前の彼とは?」と思ったものの、聞き返すのは憚られて、頷きながら流したのを鮮明に覚えている。
話を聞くことでナゾが深まる人種があるが、その種の人物だということだけはハッキリとわかった。
オムニバスに収められた彼の作品は、あの時そばにいた女性から聞いた話の印象と同じで、読むことでナゾが深まる種類の文章だった。
ただ、言葉を伝達の手段ではなく表現の手段としているのだろうということは感じられた。