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u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

映画『沈黙 silence』観了

見る前に3時間くらいの作品と聞いて、映画を見慣れていない自分にはキツいかもしれないと思ったが、まったくそんなことはなかった。あっと言う間の3時間、ハラハラでもなくドキドキでもなく、徐々に心のコーティングを侵食されていくような緊張を感じながら鑑賞した。


この作品は、そもそも原作の小説もそうだが、大いに誤解される可能性のある作品だと思う。決して正解、不正解あるという意味ではなく、原作者の想いとはまったく無関係な解釈も成り立ちうるという意味での「誤解」だ。


この作品は、極めてパーソナルな問い、自分自身への問いかけをベースにしたものだろう。普遍性は、パーソナルな問題意識にこそ宿るものだ。ユニバーサル(普遍的)な問題が先にあって、それにパーソナル(個人的)な問題が収束するのではなく、パーソナル(個人的)な問題が先だち、その奥底にユニバーサル(普遍的)な問いのカケラを見い出すのが、本当だと思う。


この作品をユニバーサル(普遍的)な問いから発したものだと捉えると、「日本人とは?」とか「西洋と東洋の精神性の違い」とか「キリスト教の布教のあり方云々」といった方向へとミスリードされてしまうだろう。


これはきっと信仰に関する極めて個人的な問いかけ(自問)をベースにした作品であり、個人的な問いかけが普遍的なものにつながるところに、作品としての素晴らしさがある。そして、そもそも信仰というのがそういうもの(パーソナルであるがゆえにユニバーサルなもの)なんじゃないか。


他にも映画のキャスティング、映像、音についていろいろ思ったが、長くなったからやめておこう。