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u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

『宣教師ザビエルと被差別民/沖浦和光』読了


ザビエルの足跡だけでも興味深かったが、世界史の授業のような当時の国内・国際情勢の丁寧な解説もあってとても面白かった。
なるほどと思わず付箋をつけたのは、「当時のキリシタンにとって最も手ごわい相手は、熱烈な真宗門徒であった毛利氏と瀬戸内海の海賊衆であった」というところ。
敵対しているということではなく、「仏教諸派の中で神のもとでのすべての人間の平等を説くイエズス会の布教理念と最もよく似通っていたのが、親鸞を開祖とする浄土真宗であった。「一向一揆」に結集した熱心な門徒に、キリスト教があらたに布教する余地はなかった」のだという。悪人正機説という心の拠り所を持っている人たちが、新たに「神のもとに平等である」という説教を聞いて心が揺さぶられるのだろうかという素朴な疑問が解消した。
一方で、その活動においては「社会奉仕」という点、特に癩患者に対する献身的な奉仕で、浄土真宗を含めて仏教諸派の活動とは一線を画していたという指摘も興味深かった。
文字面だけの理解ではあるが、とても勉強になった。