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u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

抑止の意識

機動隊員が市民に差別語を吐き侮辱したという話。
問題を差別語の話に矮小化してしまうと、コトの本質には至らないように思う。

機動隊員を労う「ご苦労さま」的な意見や、市民も同じくらいヒドイ言葉を使っているという「お互いさま」的な意見の気色悪さは、権力と市民とは根本的に相容れない対立関係にあることを無視し、権力を抑止するという意識がないところから発するのだろう。

どんな人間も善悪合わせもっていて、その言動は正しいこともあれば、誤っていることもある。
権力の側にいる人間もまた同じだ。
ただ単に、その任務が公益のためであるというだけで、その人自身を美化したり、過ちの責任を問わないというのは、権威や権力に対する抑止を怠るということに等しい。

権力が持ち出す大義はいつだって「公益」である。
公益に奉仕する人間の過ちは許されるという発想はたいへん危険だ。
その「公益」は、権力がでっち上げるフィクションの可能性もある。
悪気はない、悪意はない、過ちは誰にでもある、といった寛容な姿勢を、権威や権力にも適用してしまう優しさは、この社会の強さであり怖さでもあるのだろう。