u1row's blog

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『梁塵秘抄 / 植木朝子編』読了

平安末期の流行歌謡である今様。これに夢中になった後白河院が、その歌詞を集めて編んだのが『梁塵秘抄』なのだとか。500以上もある中から48首に絞っておいしいところだけ集めてくれているためか、読みはじめる前の予想を裏切るおもしろさ。

鈴木大拙の『日本的霊性』が頭に浮かんだ。曖昧な記憶だが、日本人のメンタリティと禅を関連づけ、日本人の内面世界が形を成すのは鎌倉期以降で、たしかそれ以前の日本人の感性を素朴と表現していたように思う。
まさにその日本的素朴な感性が目一杯表現されたのが今様なのかもしれない。(鈴木大拙万葉集を挙げていたが)

後白河院の評論もなかなか鋭くて興味深い。今様は声の技芸で、声技の悲しいところは、文字しか残せないところだというようなことを書いている。
取り上げられている今様の中では、いろいろハッとさせられるものがあったが、一番訴求力があるのは「遊びをせんとや生まれけん〜」かな。

自分が聞いたことがあるくらいだから、かなりベタな選択なんだろうが、実際の節はわからなくても、節がなんとなく伝わってくるような歌謡の魅力が感じられる。