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u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

『赤頭巾ちゃん気をつけて / 庄司薫』読了

1968-1969の東大紛争の年に日比谷高校3年だった主人公の話。
何かの本で、この時代を映し出す一冊として紹介されていたのを思い出して読んでみた。
はじめの数ページでやめかけたが、やめると決断させる決定打もなかったので、しばらく読み続けているといつの間にか終わった。

この時代の青年、しかもエリートだった青年だけが共有する感覚というのがありそうだ。
それについては「きっとこうなんだろうなあ」と想像で補いながら読む。
一方で、この年頃、たぶんこの年頃の男性だけが持つ感性が共有する感覚というのも書かれているようだ。
これについては、あれこれ思い当たるところがあった。

「ごますり」ではなく、「居直り」でもなく、「亡命」でもないぼく自身の態度を求めて、最後に「みんなに言ったら笑われてしまうような子供みたいなもの」だが、他ならぬ「ぼく自身のもの」と確信できるようなささやかな感情を見つける。

ここにはちょっと親しみを感じたが、でも世代を隔てた違和感は拭いきれなかった。
「みずみずしい感性」というより「みずみずしい記憶」という感じがする。普遍的なものを描く(そんなつもりは端からないと思うが)には、時代の空気が勝りすぎているのかな。