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u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

BGM代わりに

机に向かって某作業をしながら、BGM代わりにYouTubeでたまたま見つけた安部公房の講演テープ『小説を生む発想』というのを聞いた。
「何を話すか考えずに来た」という通り、思いつきで話している風で、それがかえっておもしろい。

ブラックジャックをご存じですか?」と問いかけるので、手塚治虫の話でもするのかと思ったら、ブラックジャックというのは凶器のことだそうで、「これをうまく使えば完全犯罪も可能なんじゃないか」といった話がはじまる。
続いて、戦中衛生兵として従軍した兵士の中にはそこらの医者よりもよっぽど有能な者がたくさんいて、ニセ医者が蔓延るのは、彼らのように腕も診立ても良いが資格だけは持っていない元衛生兵が数多くいるからだといった話があって、落語の枕がずっと続くような講演。

「そうそう」と手を叩いて賛同したくなったのは次の話。
文学とか芸術について、テーマが先にあって、それに肉付けをして作品を作るという誤解をしている人が非常に多いが、それで済むのなら何も小説にすることはない。
作者というものは自分が書いたものについてそれほど目覚めているものじゃない。目覚めていない状況でないと捉えられないある世界というものがある。

BGMにするにはもったいない深い話もあったが、話を聞きながら机に向かっているというシチュエーションから、中高生の頃に深夜ラジオを聞きながら机に向かっていたのを思い出した。