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u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

『ペンギン・ハイウェイ / 森見登美彦』読了

心の中の少年を呼び覚まされるような感じがして、女性がどんな風に読むのかはわからないが、勝手に「男の子の小説だ」と思いながら読んだ。
少年の頭の中では、科学も空想も哲学も衝動もみんな同居している。
そんな、かつて自分にもあった感覚をアオヤマ少年を通して追体験しているような気がした。

アオヤマ少年の研究は多岐にわたる。父からのアドバイスに従って問題を切り分けて考えることを実践する。
しかし実は別々の問題だと思っていたものが、ひとつの問題の別々の面にすぎなかった。

大人になることが賢くなると同義だとすれば、それは「切り分けられるようになる」という意味においてのみかもしれない。
切り分ける(分析する)のは、知的活動の主要素には違いないだろうが、あまりにその活動に長けると「実は問題はひとつだ」ということに気づく力が失われていく。
ひょっとしたら空想が科学を、衝動が哲学を生み出すのかもしれない。
それは少年の心には簡単に結びつけられることなんだと思う。
そんなことを思いながら読み終えて、感動というのとはちょっと違うが、しばらく余韻が続いた。