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u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

無言の会話

今朝いつもより少し混み合った車内で、少し離れたところから怒声が聞こえてきた。
「いい加減にしろよ!」
それよりもずっと小さいが、苛立った口調で
「混んでるんだから、しょうがないだろ」
と言い返す声。
言い返されたことに激昂してさらに大きな声で
「しょうがないじゃないだろ!さっきからふらふらと!」

あ〜あ、朝からうるさいなあと思って聞いていると
さらに続けて
「こんなに混んでいるのに、なんでバカみたいに本を読んでるんだ!本を閉じろ!」
どうやら、つり革を持たずに本を読んでいたおっさんが、電車の揺れでフラついたのが癇に障ったらしい。
状況がわかると同時に、その瞬間まで間近な他人事だったのが、突然自分も当事者になってしまった。だって、自分もそのとき腕を折りたたむようにして「バカみたいに」本を読んでいたんだから。
え、オレこの本閉じるべき?
と一瞬迷った。
が、今の怒声で閉じるのはなんか変だ。それに俺は別にフラついて周りに寄りかかったりしてない。と思って、そのまま読み続けた。
ふと顔を上げだ瞬間に、目の前の中年男性と目があった。
なんか心の動きを読まれたような気がした。
「そこは敢えて閉じないのね」
「まあね」
無言の会話を交わした(あくまで自分の想像だが)