u1row's blog

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『天災から日本史を読みのなおす / 磯田道史』読了

天正地震(1586)、伏見地震(1596)、宝永地震と富士山の噴火(1707)といった過去の地震が、歴史上の人物あるいは歴史それ自体にどのような影響を及ぼしたかというウラ話的なエピソードがおもしろかった。が、それが本旨ということではなさそう。

 

東日本大震災とその後の津波を経た読者へのメッセージ性の強さが、単なる歴史エンターテインメントとは違った印象を与える。
南海トラフ地震は、警戒しようとしまいと必ず起こる。
史料でも先人の知恵でも何でも援用して、その時に備えようという気にさせられた。

 

ただ、過去の地震津波においては、各人が自律的に行動しさえすれば「自分の身を自分で守る」ことができたのかもしれないが、福島第一原発を経た今となっては、「こうすれば助かる」という過去の教訓は、津波には通用しても原発事故には通用しない。

 

天災を巡るたくさんの悲惨な経験は、史料や口伝の教訓として次の世代に引き継がれて来た。しかし、次に原発の事故が起こる時には、次世代に何も引き継げないかもしれない。