u1row's blog

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『日本的霊性 / 鈴木大拙』読了

ようやく読み終わった。第5篇「金剛経の禅」にえらく時間がかかった。
時間がかかったわりには、ほとんど理解できなかった。
巻末の解説によると、この第5篇は版によって入るものと入らないものがあるそうで、例えば岩波文庫のものは含まれていないらしい。
 
解説者によると「大拙の最終的な意図からすれば、除く方が適当かもしれない」とのこと。
もしこれが、納期やノルマのある仕事なら「なくてもエエんかい!先に言え!」と心の叫びでツッコミたいところ。
ま、これは純粋な読書だから、時間がかかってちっともわからなかったからと言って、決して損をしたとは思っていない。
内容の理解はともかく、テーマとしては非常に興味深いことが書かれていたので、決して読むのが苦痛というのではなかった。
 
ちなみに、これが書かれたのは、戦争のまっただ中の1944年。著者は当時74歳。
軍閥の背後にあった思想 ー すなわち国家主義全体主義国家神道などというもの、これは我が国のこれからのよって立つべきものではない」と感じ、「これではならぬ、日本の将来はそのようなものであってはならぬ」と考えたことが、この本をまとめるきっかけになったと述べている。
 
反戦というのではなく、世相を斬るというのでもなく、本質を論じると自ずと軍閥政権には与しないことになる。その姿勢にとても魅力を感じた。