u1row's blog

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『愛について / キェルケゴオル』読了

読了といえるのかどうか・・・。
ちょっとキツかった。


冒頭に「極めて平易にわかっていただけるだろう」とあるが、ちっとも平易ではない。
「ゆっくり、ゆっくり理解するようにして下さい」と書かれている通り、精読するのがいいのだろう(できれば原文で)。
キェルケゴールは哲学者かと思っていたが、ここで語られているのはもっぱら「神の愛」についてで、哲学というよりは宗教の話だった。


詩人が題材とする友情や恋の延長線上にある愛と、神の愛は別ものだ。
キリスト教の言う「隣人愛」は、「神の愛」を実践しようとする人の試みで、詩人の唱う恋歌とは次元が違う。
友情や恋を否定するのではないが、隣人愛とは相容れないところがあることは理解すべきだ。
といったことが書かれている。


詩人に対する勝手なイメージかもしれないが、自分の中で詩人というと「直観力、想像力に優れ、世俗的ではないものの価値を、韻律や美しい言葉で表現するのに長けた人」というように捉えている。
世俗的ではないものや眼に見えないものの価値を表現するという点で、神聖なものと同じ領域にあるものと思っていたが、この本では、詩人が神の愛を正しく理解するのをジャマする存在として書かれている。
本能にまかせるのはダメ、直観力や想像力に訴えるのもダメ。信仰というのはずいぶんと厳しいものだ。

 

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