u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

『入れ札 / 菊池寛』

とても短い話。主人公は国定忠次の子分の一人(子分を「乾児」と書く)。子分の中では、年が上で「兄貴」と呼ばれる九郎助。
ただ、年を重ねるにつれて、弟分からの人望は薄れ、
親分からも軽んじられてきているのを肌で感じている。

信州の山奥に逃げ込んだ忠次と仲間たち。
ここから先は、大人数では行動はできない。
誰が親分と行動をともにするのか。同行するのは3人。

いろいろとやり取りがあり、結局、入れ札(投票)で3人を決めることになった。
自分に票が入らなければ、親分弟分の前で、自分の兄貴分としての求心力がなくなったことが
露呈してしまう・・・と気をもむ九郎助。
九郎助のとった行動、そしてその後・・・

胸にチクッとくる痛みは、自分にもこういう卑屈さがあるから感じるのだろう。おもしろかった(「面白かった」で終わるのって小学生の作文みたい・・・)