u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

『落語の国からのぞいてみれば / 堀井憲一郎』読了

満年齢は「個人」を中心とした数え方、数え年は「社会」を中心とした数え方。誕生日なんていうものは極めてプライベートな情報であって、個人よりも社会が先の世にあっては、他人の誕生日なんてものに構っていられない。

「この社会に足かけ何年いるのか」が社会的に求められた年齢、数え年なのだ。寅年の赤ん坊は、1月1日生まれでも、12月31日生まれでも、「寅年を生きた」ことに変わりない。
その年、社会にいたのだから1歳。年が明けて卯年になると2歳・・・

なるほど、数え年とはそういうものなのか!
単にゼロの概念が希薄だったため、基点を「1」としていただけかと思っていた。

もっと貧しく、ぎりぎりだった時代。
社会のコストを下げるために左利きは徹底して右利きに直された。
左利き用の道具を作るくらいなら、人が道具にあわせた方がいいという考え方。
人が大事で、個性が大事で、社会は個性を大事にするように動こうとする考え方は、つまり日常世界から死が遠ざかっている社会である。
死の隠蔽と個性の尊重は裏表にある。

これはおもしろい。
でも、せっかく社会が個性を尊重してくれているのに、当の本人は自分探し。ありもしなものを尊重して、表現するよう求められる。
「実はカラッポです」と言い出すタイミングを見失っている状態・・・
それでなおかつ死が遠ざかっているのだとしたら、生きてるのは何なのか?

ただのうつわになって♪

って何だっけ?
あ、Bad Stuffの曲だ!

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落語の国からのぞいてみれば (講談社現代新書)
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