u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

『ブタペスト / シコブアルキ』


あのシコブアルキの小説。
興味はあったものの、なかなか手が出ず後回しにしてきた。
読んでみたらスゴかった。
さすがミュージシャンが書く小説。
音楽の話は全く出てこないけど、「耳でとらえる言葉(音)」が話の重要な要素になっている。

こういうのを幻想的というのかどうかわからないが、
話の前後関係も、場所も入り組んでいて、現実なのか空想なのかもわからないところもある。
リオデジャネイロとブタペストの2つの都市が舞台。
驚いたのは、シコブアルキ自身はハンガリーに行ったことはなく、
観光案内か何かを見ながら、想像だけで書き上げたらしい。

異国情緒の表現は、音楽家・作曲家の常套手段だろう。
表現方法にルールがあるわけではないけど、
多くの音楽家が、必ずしもその国を訪ねたり、文化人類学者のようにその風習に入り込んだりすることなしに、
空想を膨らませるだけで、異国情緒を表現する。
時に、本家以上にその国・文化を代表する音楽として認められることもよくある。

この本に描かれるブタペストも、それに近いものがあるような気がした。
その意味でも、さすがミュージシャンの書いた小説、と言える気がする。
ただ、本人は音楽とは別ものとして書いていて、ことさら「ミュージシャンだから・・・」と言われるのはイヤかもしれないけどね。

http://www.bookoffonline.co.jp/new/0012822707