u1row's blog

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『僕のお父さんは東電社員です / 毎日小学生新聞+森達也』

2011年3月27日に毎日小学生新聞に掲載されたコラムへの反論が編集部に届いた。

「突然ですが、僕のお父さんは東電の社員です。」ではじまるこの反論文は、都内に住む小学6年生が書いたものだった。

みんな責任の一端を担っているんじゃないのか。東電だけに責任を押し付けるのは無責任ではないか、という彼の意見に対して、編集部には様々な意見が寄せられたらしい。

この本では、冒頭に小6のゆうだい君(仮名)の反論、次に、ゆうだい君の反論の直接のきっかけとなったコラム記事、つづいて、編集部に寄せられた多くの意見が紹介されている。後半は、森達也氏からゆうだい君(たち)へのメッセージ。

森達也氏の文で共感するのは、組織と個人とを切り離して論じている点。
組織・集団による暴走は彼が追求するテーマのひとつなのだろう。
挙げられる事例もわかりやすくて説得力があった。

原発事故は、それだけでも独立して議論されるべき問題だけれども、彼の言う「同調圧力」という、より普遍性の高いキーワードでその構造を明らかにし、同調圧力を抑止する仕組みを組織・集団に組み込む試みが必要だと感じた。

「突然ですが、僕のお父さんは東電の社員です。」という小6の少年の文は心を打つものがあるが、このレベルで組織や個人を非難したり、かばったりの応酬を繰り返しても何も生まれないだろう。

事故を風化させないひとつのポイントは、問題を矮小化せずに、普遍的かつ現在の問題として更新していくことかもしれない。
その意味でも、「東電」「福島」という固有名詞を代名詞化するのではなく、例えば「同調圧力」といった別の普遍性のある言葉に問題を置き換えることが必要なのではないかと思った。

http://www.amazon.co.jp/「僕のお父さんは東電の社員です」-森達也-著+毎日小学生新聞-編/dp/4768456715