u1row's blog

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放浪探偵と七つの殺人 / 歌野晶午

今日はSalsaの練習日。
何冊か並行して読んでいる本のうちの一冊、
『放浪探偵と七つの殺人 / 歌野晶午
を読了。

『戦争の世紀を超えて』の重たい内容に比べると、
軽やかに、すぅーっと読めた。

7本の短編で、廃墟になった病院にたむろする若者とか、大学の男子寮生とか、
なんとなく1980年代前半の映像を思い浮かべながら読んだが、
書かれたのは90年代末だった。
あえてレトロスペクティブな描写をしてるわけでもなさそう。
むしろ背景や人物の描写にはあまり関心がなく、純粋に犯人とトリックを推理するために読む、パズルみたいな本だった。
パズルはちっとも得意ではないので、犯人もトリックも全然当たらなかったが、「へぇ」とか「おぉ」とか、わくわくしながら読み進められた。

しかし、『戦争の世紀を超えて』を読んで、
加虐と被虐の関係性について考えさせられたのと並行して、
殺人事件の話をエンターテイメントとして読んで、わくわくしているのだから、・・・矛盾だ。

強いて説明を試みるならば、
現実世界では、相手を自分と接点のない「絶対的な他者」と見なすことによって、殺人はためらいや痛みを伴わなくなる。
小説(虚構・フィクション)の世界では、登場人物を記号化することによって、殺人は痛みの伴わないパズルになる。
って感じかな。