u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

その日の天使 / 中島らも

90年代はじめから晩年にかけての時期に書かれたエッセイ。
必ずしも年代順に編集されているわけではないのだが、
あとにいくにつれて、良くも悪くも壊れていく。

壊れていく直接の原因は、アル中に睡眠薬の常用、躁鬱の症状によるものだろう。

「良くも」というのは、壊れていくのと同時に、関西弁を基調にした話し言葉に近い記述になって、内容は混沌としつつも、ストレートで「本当のことを語っている」感じが伝わってくる。

もっとぶっ飛んだ人なのかと思っていたけど、これらのエッセイから感じられたのは、すごく誠実でまじめでやさしい人柄だった。

アルコールや睡眠薬への依存は、創作活動に付随する、というか、創造を手助けしたり、産みの苦しみを軽減するために避けられなかったのかもしれないが、
この人の場合、創作の苦しみとは無関係にアルコールや睡眠薬を常用していたのかもしれない。

アルコールや薬による酩酊状態が、創作のヒントになることはあったにせよ、そのために摂取するというよりは、それ以前のもっと奥深いところからわき上がる、くらいもの・こわいものから逃れるように常用していたような感じがした。

感動というのが、文字通り「感情を動かす」という意味ならば、とても感動した。

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