u1row's blog

作曲、演奏、読書、アプリ制作・・・、生きた証を日々更新

神が愛した天才数学者たち / 吉永良正

フランス革命前後の時期を生きた数学者たちの項を読んだ。

ラグランジュ(1736-1813)
ラプラス(1749-1827)
フーリエ(1768-1830)

いずれも後世に名を残した偉大な数学者だが、現実世界での身の処しかたはそれぞれ。
上記3人の中では、ラプラスが人間くさくて面白かった。
ナポレオンの任命を受け内務大臣を務めたが、わずか6週間で解任されたらしい。ナポレオンはラプラス
「どのような問題に対しても、急所を掴むことができない。何音に対しても重箱の隅をほじくるようなことばかりして、考えがふらついていた。そして、あげくのはてに、行政にまで無限小の精神を持ち込んでいた」
と皮肉を交え評したらしい。

フーリエは、ラプラス同様、一度はかつて仕えたナポレオンを見限りルイ18世に忠誠を誓うが、エルバ島脱出後のナポレオンと再会。再びナポレオン側につく。しかしナポレオン復活は百日天下に終わり、その後フーリエは公職から追放されてしまった。

ラグランジュは、革命のさなかもその渦中に巻き込まれることなく天寿を全うしたが、彼の友人で近代科学の父ラボアジェは無実の罪を着せられ処刑された。
ラグランジュは、ラボアジェの処刑を知り「ラボアジェの首を切るのは一瞬の時間しか必要としないだろうが、彼と同じ頭脳を生み出すには、100年あっても足りないだろう」と語ったらしい。

いろんな学問分野の中でも、数学はとりわけ抽象度の高い学問で、それ自体が扱うものは、世の中、とくに政治とはほとんど無縁のものに思える。
しかし、著名な数学者たちの多くが、政治に振り回されたり、時に自ら政治に関わっていったと知って、抽象の世界の中だけで完結するような生き方は、なかなかできないものなんだなぁと思った。

http://www.amazon.co.jp/神が愛した天才数学者たち-角川ソフィア文庫-吉永-良正/dp/4044094365