u1row's blog

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親という名の暴力 / 小石川真実

感想がまとまらない。
ただひたすら、両親から受けた心の傷を書き連ねている。
具体的事例が、その経緯や背景、さらには考察まで、事細かに書かれている。

境界性人格障害うつ病を発症し精神科にかかってからは、
両親との葛藤とあわせて、病院とくに精神科医の横暴、無神経な言動の数々にも矛先が向けられる。

基本的に時系列に沿って話が進められるが、
何かしらの出来事について述べられたあとには、かならず

「この時期、両親との関係で嫌だったことが3つあった・・・」

と続く。

「積年の恨み」とはこういうものか。
「恨み」と言ってしまうと、「そんなネガティブな感情の披瀝に耳を傾ける必要はない」と断じられてしまうかもしれない。
実際、自分も他人の恨みに共感を示すなんてオカルト趣味はこれっぽっちも持ち合わせていない。

しかし、この本で洗いざらい吐き出される「恨み」あるいは「怒り」には、十分耳を傾ける価値があるように思う。

記述は、筆者の側からのみ述べられたものだが、
「できるだけたくさん具体的事例を積み上げよう」
「自分の言動の問題点も包み隠さず述べよう」
という筆者の姿勢が貫かれているので、独善的な他者批判、自分の非を認めない責任転嫁、といったものでは全くない。

自身の経験を仔細に述べた上で、
「自分を傷つけた相手を正しく恨むことによってはじめて虐待の連鎖を断ち切ることができるのだ」
と訴える。

「恨み」というネガティブな感情を、ネガティブであるという理由で (例えば「こんなに醜い感情を持ってはいけない」という風に) 、自分の心の中にしまい込み、抑圧してしまうと、本当に断罪されるべき者、あるいは、断罪されるべき構図・構造というものが野放しになってしまう可能性があることを指摘しているとも読める。

もう1回読もうという気にはなれないなぁ(笑)。

筆者も繰り返し読んでほしいとは思っていないだろう。
1回でいいからできるだけたくさんの人の目に触れて考えてほしい、とある種の問題提起な想いを抱いて世に出したのではないかな。

http://www.amazon.co.jp/親という名の暴力-小石川-真実/dp/4874984940